黄金色の瞳を持つ美しき男――その名はリロイ。悪魔だ。悪魔はただひたすらに理想を追い求めていた。
――神も救いもあったもんじゃない、この世で。ならば勝手にしてやろうじゃないか。
理想(欲望)を叶えるため、教会の前、赤子を拾った悪魔が、思い
通りにいかない現実に翻弄されつつ諦念した世界へ光を見出す始まりの物語。
【彼らについて】
・リロイ(Leroy)
千五百歳……から年齢を数えていないので自分でも歳を把握していない中堅悪魔。ほどほどに力はある。男。己の欲を叶えるべく人間界で過ごして現在二、三世紀経過。見た目年齢二十代後半。
自分では気づいていないが、悪魔である、ということに深層心理下で自己嫌悪を抱いており、その事実を自棄気味に受け入れている。
・オーウェン・コールドウェル(Owen Caldwell)
元孤児。リロイに拾われ、主にリロイに育てられ成長した。リロイと暮らしている。現三十四、五歳の人間の男。銀行員。禁欲の日々と、知らぬ間にリロイの手で開発され続けた結果、限界値まで蓄積された欲望に年中性的欲求不満状態。反動で、一般の三十代男性の比ではないほどに性欲過多になっている。性に関して羞恥心を異常に強く感じるのは、リロイの教育の賜物。
・メリンダ(Melinda)
比較的淡白なサキュバス。超のつく巨乳で年中母乳が出ている。リロイとは旧知の仲。見た目年齢二十代前半。化粧が濃く落とせば、幼顔になる。
淫魔は悪魔の中でも魔力が弱く、そこへ淡白さが相俟って、彼女は淫魔の中でも更に魔力が乏しい。その事を自覚しているため自分では及ばないと感じ、貸しもあったことから、今回の件をリロイへ依頼する。
・少女/サラ(Sarah)
教会の孤児院で暮らす少女。好奇心旺盛。
・ジーン・スコット 教会の司祭 非常に肥えている。強欲。
・フランシス・バード(Francis Byrd)
オーウェンの上司(銀行支店長)職務怠慢が目立つ。自他含め万物に甘い。絶対に定時退社するが、その分、部下へ皺寄せが行きがち。
・バリー(Barry)
リロイより格上の悪魔。小柄。ドケチ。実力も実績もあるがあまりのケチさにケチ部分で名を馳せている。フレンドリーというよりは馴れ馴れしく、言動だけを見ると気まぐれ。情動的に動くタイプ。友人はいないに等しい。
'この作品はfujossyにも掲載しております折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-31 09:40:10
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会話率:37%