戦争によって瀕死の重傷を負った軍人、火陀(かだ)は、軍部の人体実験によって九死に一生を得る。
その代償として、彼は人を食わねば生きていけぬ体になっていた。
悪逆非道の畜生として生きていくことを選んだ火陀。しかし、ある美しき男娼と出会いが道を
変える。
男娼の名は、天知(あまち)。
天知は、どんなに傷つけられても再生する、不死の体を持っていたのだ。
火陀はいくら食べても死なない天知に運命を感じ、傾倒していくが……。
【注意!】
上記の通り、本作はカニバリズム(人肉食)をテーマにしています。
また殺人や拷問、人体損壊など、非常にグロテスクな描写が続きます。
少しでも苦手な方は、閲覧をご遠慮ください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-06-30 19:00:00
81579文字
会話率:36%
キリストは生きていた。しかも、意外な形で……。
下請け映像プロダクション勤務の宮原紡(みやはら・つむぐ)はインドとタイの若年娼婦及び男娼を取材中、奇妙な妙な噂を耳にする。どんな受給者(レシピエント)とでも拒絶反応を起こさない万能臓器の闇
市場があるというのだ。もちろん臓器の移植には生体拒絶反応が伴うので俄かにそれは信じられない。宮原と付かず離れずの関係にある恋人坂下理紗子(さかした・りさこ)は「その用途だったら生体クローンよりもiPS細胞の方が望ましいでしょう」と結論付ける。
その後、謎の万能臓器について意外なところから情報がもたらされる。N新聞社勤務の情報通三枝木晴正が「世界でも有数のハイテク企業CEOが膵臓癌から立ち直ったのは万能臓器のお陰だ」と告げたのだ。また同様の移植を受けたと思われる金持ち達が移植後必須となるはずの免疫抑制剤を服用している様子がないとも言う。
その三枝木が突如姿を晦ませる。宮原がフィリピンへ臓器売買の取材に行く前日に……。伝手を頼り、宮原は取材中にマニラ速報社の記者アブドゥにアポイントメントを取り付ける。アブドゥは失踪した三枝木が取材メモに名を残した人物の一人。そのアブドゥが万能細胞は奇跡だと宮原に告げる。更にその奇跡は宗教上の奇跡ではなく奇跡を起こした本人そのものに由来するとも言う。万能細胞の符丁は『ダビデのパン』で、それは現在まで生きながらえたイエス・キリストそのものだ、というのだ。しかも、その売買を取り仕切っているのがユダヤ人の結社であると……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-04-20 16:00:00
35653文字
会話率:60%