ある日、貴弘という主人公の前から人と動物が消えてしまった。
しかも、自分の容姿が20歳当時に若返っていることにも気づく。
ところが、自分以外の人が消えたというのに、旅客機、新幹線、バスをはじめとする交通機関は正常に運行されていて、
レストランに行けば暖かい料理が置いてあり、スーパーマーケットなどの飲食物は全く劣化せずに食せる状態にあり、ネットも従来通りに利用できる。
だから、貴弘は生きていくのに全く困らない。ただし、ネットの情報は人が全くいないだけに更新されない。そんな中で貴弘は他の人類を探しに日本中をさまよう。
そんなとき、貴弘は、横浜市の思い出の公園で離婚した元妻、昌美との再会を果たす。昌美もまた他の人類を求めて、さすらっていたのだった。
元妻は浮気者で、度重なる浮気が原因で貴弘と昌美は離婚したのだったが、そんな因縁の二人は、再会以来、二人で日本をさまようことになる。しかし、貴弘の方は過去の因縁を気にして、同行しながらも昌美の事を心よくは思はない。
人類と動物が消えた当初、二人は大いに当惑して、消えた原因をあれこれと考えたのだが、衣食住に不自由のない暮らしの中、問題意識が希薄になり、やがて無人の世の中を楽しみ始める。
例えば、人が誰もいないのをいいことに、アイドルの楽屋に忍び込んでは私物を物色したりするのだった。
しかし、無人の世界でしか堪能できない、そんな楽しみにも飽きた二人は、またもや世の中の異変に関心を向けるようになる。すると、気にするほどに、世の中に奇妙な事が多いことに気づく。
そして、やがて二人は、異変の真相に迫っていくことになる。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-24 18:07:27
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会話率:86%