――誰であれ、何であれ、自分を揺さぶり滅茶苦茶にし、忘れさせて欲しかった。あの男を、あの男の不在を。
15世紀、フランス王国。
イングランド軍に包囲されたオルレアンの街に待ち詫びた援軍派遣の知らせが入る。
オルレアンの守備隊長であるラウー
ルは心密かに思いを寄せる友の到着に心弾ませるが、友の関心は既に得体の知れぬ「乙女」に移っていた。
傷心のラウールに声を掛けてきたのは、ブルターニュきっての大貴族、ジル・ド・レだった……。
※自サイトからの転載作品です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-01-20 00:00:10
12625文字
会話率:36%