『コカトリス』
それは、彩国(さいこく)に古くからもたらされる災厄であり、魔除けでもある物。年齢性別貴賤に関わらず、見たものを石にする呪いに侵された哀れな人柱だ。
高位貴族の子息である雪(せつ)は、偶然見かけたコカトリスの少女に一目で心を
奪われる。
絵の才能に恵まれた雪は、何とかしてコカトリスを描きたいと願う。だか、その願いは容易には叶えられず、初めてコカトリスと遭遇してから六年の月日を経て、雪の願いが叶えられた。
…雪は産まれつき、短命の運命を背負ったアルビノである。
彼の願いが聞き届けられたという事は、即ち、その命が残り少ないという事でもあった。
未来がない事に静かに絶望していた少年と、理不尽な呪いと孤独に苛まれた少女は、二人だけの密かな絆を育んでいく。
※作中のアルビノの設定はこの物語だけのもので、現実のアルビノとは全く違う物であります。ご理解の上、物語をお楽しみください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-11-22 16:14:37
17618文字
会話率:37%