家族というものはどんなものなのだろう?
第1領主の後継者候補第1位のマリアベルは地味で冴えない努力だけが取り柄であった。
第2候補ソニアには家族がいるが、マリアベルの母はマリアベルを産む時に死んでしまい父の存在はわからない。
珍しくもない身
の上だが、屋敷の反対側に住むソニアによって視界に入る家族というものに憧れてしまう。
寂しさを感じるとどうしても比べてしまって惨めに感じてしまうのだ。
ある時現在の領主でありマリアベルとソニアにとってのおばあさまから「戦争の土産」をもらったことでマリアベルの地味で単調な日々に変化が起きるーーー。
今となっては古参の領主(代理)になってしまった第1領主マリアベルの昔の話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-16 00:42:48
75430文字
会話率:43%
第5領主の住う城の中の一角におどろおどろしい魔女が住むような塔がある。
そこは得体の知れない雑多なものが転がる研究室だった。
領主のイライジャはほとんど仕事をしないでもっぱらここで研究をしている。
先代からの優秀な事務官を丸ごと抱え込むだ
けの財力と怒らせたら確実に怖い莫大な魔力によって成功した城内での領主の仕事の外注である。
最終チェックはしっかりするもののイライジャはほぼ最終チェックしかしない。問題はないが。なんだかんだ天才なので。
そんな天才の名を欲しいままにする少女は領主になり様々な発明品で世界を塗り替えながら10年目。現在15才である。
黄金を煮詰めたような豪奢な光る金髪の長い巻き毛に緑色の瞳。すらりとした体型の美人であるが性格は粗雑で不潔、わがままで短気な面が先立って印象は美少年といった風が似合うかもしれない。
そんなイライジャにはお気に入りの侍女がいた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-10-15 21:16:39
49741文字
会話率:32%
勢力を拡大する帝国を構成するのは9つの領地。
そのうちの7番目の領土を統べる若き女領主アリジャは領主としての素質も十分であるものの非常に怠惰(面倒くさがり屋さん)であった。
しかし自治に近い自領では思う存分に手を抜けるものの王族は16歳を
迎えると年に3回程度王都での王族のパーティーへの出席義務がある。
天才である第5領主イライジャの発明に隷属の首輪が普及してからできた唯一のドレスコードはふさわしい奴隷を伴うことと数年前に改められた。
淡々と迫ってくる16歳の誕生日をぼんやりと意識しながら面倒臭いパーティーに準備から逃げ続けるアリジャは伸ばし伸ばしにしていた接待の一環である腹心の女将軍とのお茶会で相槌を打っていたアリジャだったがそこで思いがけず運命に出会うーー。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-10 05:00:00
82225文字
会話率:33%