砂漠に住まう辰砂(シンサ)の民であるファティスは、不毛の地と呼ばれる大地を蘇らせるため、『天の雫』という至宝を探す役目を負う。
それは一族の悲願であり、義姉の病を治す為でもあった。
天人の末であるとされる紅虎国の七大家にあると情報を得
、館に忍び込んだファティスはそこで一人の少女と遭遇し、逆に捕らえられてしまう。
その少女は幼い頃出会った友人と似通っていた。
戸惑いの中、驚くべきことに、どう見ても美しい容姿の少女は、ファティスに口づけをした直後、青年に変化したのだ。
とある事情で少女の姿をしているが、本来は、男だという青年は、ファティスに契約を持ちかける。
一定期間、男の姿でいられるように協力をすれば、彼もまた【天の雫】を探す手伝いをする―――――――と。
彼がファティスに求める協力――――それは、姿を維持するための口づけだった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-30 22:52:20
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会話率:35%