「悪いな、この嬢ちゃんは俺のモンなんだ。欲しいなら、力づくで奪いな」
伊乃流。
江戸時代中期から現代に至るまで現存している殺生術の流派である。
その十八代当主である彼・伊乃安貴は十五に及ぶ異世界踏破を行ったいわゆるベテランである。
そんな彼だったが、此度の召喚に違和感を覚えていた。
やや戦闘狂であるものの、兄貴肌の彼はややポンコツである召喚師を連れ、異世界を行く。もう、勇者の存在しないと謳われる、虚しき破滅の約束された世界を。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-03-24 00:31:56
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会話率:39%