自分の心無い言葉が原因で恋人に自殺され、心に深い傷を負った男、真田隆明は人生を捨てるように生きていた。
生活のために水商売に勤め出し、それなりに出世もし新しい恋人も出来た隆明は徐々に精神的に立ち直り始める。
そんなある日、隆明は同じ店に
勤めるホステスで自身の恋人である美里から奇妙な箱を見せられる。
彼女が客からプレゼントされたというその箱は、美しい組み木細工が施してあり決して開けられない。
ひょんなことから箱の名前が“コトリバコ”である事を知った隆明は、同時にその箱がネット上で有名な怪談に登場する、呪詛のアイテムだという事を知る。
“コトリバコ”は女と子供を対象にし、呪いを受けた者はゆっくりと内臓が千切れて死ぬという。
呪いの存在など信じていなかった隆明だが、美里が原因不明の病で倒れ信じざるを得ないようになっていく。
呪いを解いて美里を救うために隆明は箱を贈った男を追う。
その過程で隆明は“コトリバコ”にまつわる陰惨な過去と、男が何故美里に呪いをかけたのかを知る事になる。
様々な真実を知って行く中、隆明は自身の過去と向き合っていく。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-04-02 07:07:38
2124文字
会話率:18%
妖が見える見鬼の瞳を持っていたため、「異形に魅入られた姫」として生家から隠匿された桃花は、金色九尾の稲荷の妻となる。
しかし、それを快く思わない赤狐に稲荷は記憶を焼かれ、妻である桃花を拒絶して邸を出た。しかし、辺りを雪で覆われた新年の夜に彼
は呪詛返しに苦しみながら帰って来た。
「人の子……、お前……何を、した」と問う彼に、桃花は――。
『姫初め2014』参加作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-01-17 00:41:45
9896文字
会話率:39%