ロシア貴族だったミシェルの家族は、革命を逃れフランスに亡命したが、次々と流行り病で亡くなり無力な少年だった彼は男娼となった。マリーは生まれてから親戚をたらいまわしにされ幼いころ娼館に売られた。すがる者がいない二人は娼館で互いがなくてはなら
ない存在になる。
銀髪、紫の瞳の冴えわたる美貌と高い教養を身につけたミシェルは、男女の別なく誰をも魅了してしまう男娼だった。けれど、心を許し求めているのはマリーだけ。
マリーは生まれてから一度も名前を呼ばれたことがなかった。ミシェルに出会うまでは・・・
しかし二人が手をとり新たな人生を歩み始めた矢先、ミシェルが何者かに攫われてしまい二人は離れ離れになってしまう。
互いの生死も分らぬまま時の流れは容赦なくヨーロッパ中を巻き込んだ戦争の時代へと突入していく。
すれ違うミシェルとマリー。
二人を主軸に多様な愛の形をとる男女、男男が登場する予定です。時代背景は1930年代アールデコの時代をイメージしております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-02-11 00:00:00
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会話率:29%