水の入ったワイングラスを持って小学生のころの通学路を歩いてきて
虚言症候群が猖獗する時で
少女がかいぶつ化する間で
ぼくは喪失した者しか住めないアリウムの街に暮らしていた。
「自宅のワイングラスに水をたっぷりと入れて小学校のころの通学路を
歩いてきて。水を一滴でも零したらやりなおしだから」
ある日、そう同級生の少女、不文里ユリカに頼まれたぼくは、その願いを叶えようとして――
その路でぼくを待ち受けていたものは――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-04 01:00:00
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会話率:62%