小塚理津子は48歳にして風俗の世界に飛び込んだ。
理由は600万円もの借金。理津子に思わぬ不幸を与えたのは、たった一度の不倫だった。
そしてそれは、思いも寄らないところで息子に知られることとなる。
心許ない決意のまま足を踏み入れた風俗店。
女を〈愛玩人形〉に見立て貸し出すそこに、なんと息子がバイトしていたのである。
「――母さん。本当に、身体を売る覚悟があるの?」
見知らぬ男に抱かれる母。見知らぬ男に母を抱かせる息子。
この時はまだ、無意識のうちに淫語を放ち、快楽を求める“女”になるとも知らず――。
お仕着せに装いを変えた理津子は、今日も息子が運転する送迎車に乗り込むのだった。
※10/12 試験的にタイトル変えました折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-10-23 01:33:48
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会話率:34%