リディは町の大衆食堂で働いている。半年前、王都から仕事の都合でこの町へやって来た魔道具師のジルベールと出逢う。彼は店に来る度に「僕のリディ」と言って子供みたいな悪戯をして構ってくるように。けれど、過去に苦い経験を持つリディは、いつか王都へ帰
ってしまうのだからと思うと素直になれずにいた。
ある日、仕事でしばらく町を離れると言い残してジルベールは姿を消す。淋しさを誤魔化しながら日々を過ごし戻ってきたジルベールと再会したものの、王都へ帰り支度をしているのを目撃してしまう。
居なくなるのならどうしてあんなこと言うの?と思いが噴き出して、悲しくて苦しくてリディは感情を爆発させたが……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-17 18:10:44
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会話率:53%