姉の元恋人からの強引な求婚を受け、追い詰められた子爵令嬢レオノーラは、その求婚から逃れる為祖父母の助けを得て、王都へ行くことを決める。祖母の依頼で彼女を迎えに来たのは、五年前、姉を海難事故で失った場で知り合った海軍将校の青年、オズワルドだっ
た。
堅物で愛想はないが、実直で誠実なオズワルドに信頼を寄せていくレオノーラ。しかし彼女が王都での生活に慣れた頃、彼女の実父に関わる思わぬ事実を知り、その事実を確かめるために自ら旅立ちを選ぶ。威勢は良いがどこか危なっかしい……そんな彼女の後を追うのは……アクションありの冒険ものっぽいような、堅物軍人の苦悩話のような、旅の間は偽装夫婦ね、だけどお前ら偽装には見えないぞ、みたいなそんなお話……のはず。多分。
「折れぬ翼で」に登場した、マティアスの兄オズワルドをヒーローとしたスピンオフ作品。単独でもご覧頂けます。シリアスはありますが前作ほどドシリアスではない……きっと。
本編完結しました。現在番外編を不定期更新中。
2017.4.1、メリッサ様よりタイトルを「乙女は至宝の愛を知る〜海神の花嫁〜」に改題し、書籍にしていただきました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-31 12:53:53
1107411文字
会話率:28%
砂漠の国、ウジャーハンの国王であるセレディンは、ある夜王宮の中庭で煌めく銀の髪に明るい月夜のような瞳を持つ女と出会った。二人は互いに抗えぬ運命に身を任せ、一夜を共にした。
だが夜が明けると女は忽然とセレディンの前から姿を消していた。
それか
ら六年。
今も尚、セレディンはただ一人であるその女を探し、追い求めていた。夜の旅人を導く月の名を持つ、その女を。
そして彼女も今また男の振りをして、王宮に潜り込んでいた。するべきことをするために。
二人は再び、出会った。
──あの夜の裏で何が起きていたのか、知らないままに。
───
短編「砂漠の王と月の女神」のその後の話です。短編をお読みにならなくても差支えはありませんが、お読みいただければよりわかりやすいかと思います。
R18表現を含む頁には※を付けています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-10-28 21:00:00
152789文字
会話率:43%