冬哉(トウヤ)はカジノのディーラー。ある朝、道ばたに倒れていた男を拾う。
彼──設楽(シダラ)は前夜、ルーレットで大勝ちして冬哉のプライドをずたずたにしたうえに「賞品」と称して唇を奪っていった俺サマ野郎だった。
おまけに設楽は意識を取り戻し
たときには記憶を失っていた。
行きがかり上、冬哉は設楽の面倒を見る羽目になるのだが、記憶喪失バージョンの設楽は無心に冬哉を慕い、冬哉もまた「本来の設楽」とのギャップに惹かれていく。
今にも記憶が戻るかもしれない、冬哉のことを忘れ去ってしまうかもしれない、という状況の中で心を通い合わせるのだが……。
一方、かねてから冬哉に想いを寄せていたカジノのオーナー沢木正文(サワキマサフミ)は、ふたりの急接近ぶりにキレてしまい……。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-02-14 15:28:14
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