「残念だけど、あの嬢ちゃん俺のモンなんだわ。欲しいんなら、力尽くで奪いな」
――〝人刀流〟。
戦場で己を守るための力として戦国の世に誕生した流派だ。
殺められぬために殺める術を、勝利するための技を、躊躇わぬために禅を――。
槍術を主
に、棒術、剣術、体術と争いに関連するものの他、処世術や巧く相手を使うコツ等狡猾な生き方をニヤニヤと笑いながら教わるのが人刀流であり、その現代二十五代目を務めるのが彼・佐瀬善嵩(させよしたか)である。
人刀流において、最高峰且つ最高傑作と謳われる程の彼は、現在二十三歳に至るまでの間に十五回に及ぶ異世界転移、勇者としての召喚劇を経験して来ていた。
が、そんな彼は此度の召喚に違和感を覚えていた。
まるで、世界自体が闘争を求めているかのようで――。
現代の兄貴肌な槍兵が、ややポンコツ気味な魔術師を連れ、世界を回る。
再投稿に御座います。評価して頂いた方々、本当にありがとうございます。
此度再投稿の作品、どうかよろしくお願い致します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-04 14:19:18
17014文字
会話率:29%