「男の人って、色んな場所で喜ぶんだね。
男爵様が仰ってたこと……本当だったんだ」
親方の残した借金は金貨にして七千枚。
まだ年若いフィオにその価値はなく、ついに幼妻のユミナを男爵邸へと送り出さなくてはいけなくなる。
千日妻と呼ばれる旧い
しきたり。
与えられた四ヶ月の猶予。
貴族の妻女として子供を産む務め。
安息日に再会するたび、ユミナの身体はすこしずつほころんでいき、笑顔には影が差していった。
「わたし……変わるのが怖いの」
これからフィオは何度だって試される。それは喪失を怖れ、愛を試した報いなのだから。
※アナザーエンド・アナザールートは下記の二点にご留意ください。
○あくまでも本編とは別のルートであり、本編後のエピソードではありません
○本編の読後感を大切にされたい方は閲覧を回避してください
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-11 20:32:43
203371文字
会話率:45%