粗筋
昭和30年代。若年者への職業規制が無いに等しく、民事不介入を口実に司法の保護も望めなかった時代。さまざまな事情で身体を売る仕事を強いられた少女たちを描いていくオムニバスです。類似した「職業」を扱った中編2本で1冊にしていく予定です。
『ちょんの間』この作品です。
就職斡旋の男に「職業指導」を一度は受けたが、自分で客に媚びも売れず演技もできない明美は客を怒らせてばかり。自身も娼婦として働く女将の娘(勝江)の提案で「縛られ女郎」となった。勝江がヤクザの姐御役を演じて嫌がる明美を縛り上げて無理矢理客を取らせるという『ごっこ遊び』は、SMという言葉も知られていない当時、大評判となったのだが。
明美は先輩たちから羨まれて陰湿な嫌がらせを受けるようになった。勝江は自分が女将の娘であるという優越性を逆手に取って、店の娼婦たちに土下座して謝り、これからは自分が「縛られ女郎」となり、他の娼婦が順繰りに姐御役を演じて取り分の八割までを渡すという損な役回りを引き受ける。
実は勝江は自縛遊びなどが嵩じて本邦初のSMクラブを開くという趣味と実益を兼ねた野望を秘めており、最初から明美の素質を見抜いてパートナーとして調教していたのだった。
『女護ヶ島』
いわゆる売春島です。
DLsite、FANZA、楽天kobo、BOOK☆WALKER、BOOTHで販売中ですので、よろしくお願い致します。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-17 21:00:00
82177文字
会話率:39%