「……俺を憎め。とことんまで。中途半端は絶対に許さない。本気で俺が欲しいなら、日暮れから(from dusk)夜明けまで(till dawn)求め続けろ……!!」
亡父の負債を受け継ぎ、人生に対する気力を失くしていたユキハルは、ゲイであ
りながら債権者である伯母に負債の半額を免除するという条件で迫られ、その娘エミと半ば投げやりな気持ちで婚約をした。だが最後の自由を求めて独り訪れたイギリスの港町で、日本人の血を引く色違いの目を持った青年ブライアンと出逢い、激しく心を奪われる。孤独な二人は強く惹かれあうが、縛られた未来と捨てられた過去の傷が邪魔をし、唯一の恋は悲しくすれ違ってゆく……。
外国のゲイ映画っぽい哀愁とカタルシスを目指して書いたものです。
愛なんてクソだと思っていたブライアンがいつしか本気でユキハルだけに愛されることを願い、人生を諦めていたユキハルもブライアンへの愛とともに生への執着を取り戻してゆきます。
決して明るいストーリーではありませんが、最後には希望の光も見えます。
物語のテーマに合わせて文体も少々重めですが、もしお嫌いでなければ、どうかひとときおつきあいくださいますよう――。
※他サイトからの転載です。一部改稿あり。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-01-10 00:34:58
68745文字
会話率:33%