その国では王家だけが”癒しの力”が使えた。それが王家たる所以となり、彼らは繁栄した。しかし、現在では王家の者にその力が使える者がいない。最後の力の保有者と言われている人物は、数十年前に『とある事情』で王家からその存在を抹消されていた。---
現在、『とある事情』で存在を抹消された人物を祖母にもつリリア。彼女は家族と人里離れた村でひっそりと暮らしていた。しかし、突然王家からの使者に連れ去られそうになる。必死で逃げ延びたリリアを救ったのは、王家の人間である青年・レイだった。「リリィが私に”愛してる”と言うまで、私も今日みたいに強引なやり方はしない。---でも、リリィが”愛してる”って言ったら、その時は問答無用でリリィを名実共に私のモノとするから」---素直になれない女の子と、彼女に素直になってほしい青年のじれじれ時にシリアスなお話。*第97、98話として掲載していた「ルイの場合」という番外編は、ルイ編の話『素敵な結婚を、あなたと。』への一部設定の変更と掲載を機に取り下げさせていただきました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-07-06 07:07:49
384623文字
会話率:28%