幕末。初夏。藩主が暗殺されたと知らされて。この春に元服したばかりの下級武士の俺は、下手人を出した親藩に報復するべく、他の百名の藩士たちとともに江戸へと駆けつけた。だが、江都市中戦を恐れた幕府と裏取引をした江戸家老は、藩士たちの暴発を抑えつけ
、俺たちにも国許に帰れと命じた。やり切れない気持ちの俺の肩を、亡き殿が溺愛していた小姓がたたく。「ねえ、彰二郎。ボクとふたりで殿の仇を討とうよ♡」死者との三角関係に胸を疼かせて。十五歳。親藩を相手どって、ふたりだけの戦争が始まる。
※ まっすぐ少年武士 ✕ 殿大好き♡ なイイ根性した闇小姓。
※ 歴史上の事件から着想を得ていますが、登場人物たちに心ゆくまで恋と復讐をしてもらうために、架空の藩のお話になっております。恋愛と仇討ち部分は完全にフィクションです。
※ ガッツリR18描写がある回には「※」マーク、R18マーク付けるかどうか悩むような回には「※?」マークが、エピソードタイトル横についています。
※ 「デカくなりすぎた陰間の旬はこれから!」から三十五年後の銀鶴藩のお話ですが、未読でもまったく問題なくお楽しみいただけます。江戸家老と殿はあちらでも活躍していますので、十代の若侍だった頃の江戸家老と九歳のカワイイ殿を見てみたくなった方は、「本編余話 遠い未来」と「揃いの浴衣で花火行こ♡」あたりをぜひ覗いてみてやってください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-06-14 20:13:29
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会話率:49%