男は、同居していた女を手にかけてしまう。死体のそばで呆然と夜をあかし、漠然と日常を続けようとする男。買物の前に食事をしたレストランで精神が乱れたとき、彼のテーブルに飲物を運んできたウェイトレスに話しかけられる。その後、買物に出かけたマーケッ
トで、男はウェイトレスと再会する。彼女は男を気遣い、男はもう大丈夫だと言って別れようとするが、彼女は男を呼び止め、「自分には血のにおいが判る」と言う。狼狽した男は願われるままに彼女を家に上げる。「友達を呼んでもいいですか?悪いようにはしません」彼女にも、彼女によく似た四人の女たちにも、名前はなかった。彼女らには1から5までの番号が振られていて、男の名も必要としなかった。女たちは自らを「死体マニア」だと名乗り、これから床に転がっている女を捌いて食べると言う。
「拒否してもいいんですよ」
「構わない、好きにやってくれ」
それが男と奇妙な女たちとの生活の始まりだった。限られた世界の、限られた相手とだけの繋がり、男はその繋がりの深さに興味を持ち、自分にもそんなものが欲しいと思い始める。女たちには新たな仕事が転がり込み、「出来れば手伝って欲しい」と頼まれた男は、了承し、彼女たちと共に死体を捌き始める。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-09-03 18:20:13
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会話率:50%