時代再生期、1999年の地方都市、三峰(みつみね)市。魔法使いの家系で育った少年、剣崎陽玄(けんざきようげん)は魔法使いの後継者[魔術師]になるようにと決められた人生を歩んできた。ある日、そんな生き方に嫌気がさし、屋敷を飛び出した陽玄は、偶
然出会った金髪少女、巫琥珀(かんなぎこはく)に一度目は命の恩人として、二度目はただの買い物帰りの女性として出会う。そんな彼女に家出してきたことを見抜かれ、その成り行きで招かれたのは森の洋館。事情を話し、彼女の助言で屋敷に戻ることを決意したが、彼を待ち受けていたのは一家を惨殺した姉だった。再び琥珀によって命を救われた陽玄は彼女に問いかける。
――実は彼女は生存しているはずのない生粋の魔法使いだったのだ。この日を境に巫との共同生活を送ることになる陽玄。姉の行方が脳裏にちらつく中、吸い寄せられるように非現実的な出来事が二人に舞い降りる。事件解決のため巫は魔術そのものを消すことができる自身の力を行使する。
それとは対照的に生きる目的、自分らしさ……何か大切なモノが欠けている陽玄。魔術も開花せず特別な力を有していない無能な自分にできることは何か。模索し苦悩しながら彼女との共同生活を送っていく。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-15 22:16:13
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会話率:54%