酔い潰れた和泉桃香を保護したのは、十五歳年上の謎多き男性、片桐雄大。
ワケあってマンションには帰れない彼女に自宅の一室を提供し、目玉焼きを作る見返りにいつまでいても良いと言い渡す。
なにか騙されてる? 身体が目的? 色々と詮索をするものの、
当の雄大は桃香に指一本触れず、気遣い上手で穏やかな聖人君子のごとき男だった。
心地良く、安心感をもらえる空間。彼の傍にそれを感じた桃香は、徐々にその空気に惹かれていくが……
恋愛を放棄していた女と、欲望を放棄していた男。
癒えずにいた傷を晒しながら、ふたりはゆっくりと近づいていく。
「セオリー通りの恋なんて、ないんだよ」
優しい恋をしよう――――
ほろ苦くて甘い、大人のラブストーリー。
*自サイトでも公開しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-12-30 00:00:00
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会話率:43%