恙ない人生を送って来たエリナとアキナ。倦怠期以上、恋人未満の時期が、三十路になって訪れていた。出世を繰り返すエリナと平凡な会社勤めのアキナ。擦れ違いの生活が日常となり、二人の距離と時間、経済状況も離れていった。
悶々と日々を送るアキナは
、引きこもりの主婦の様な愚痴を、石鹸の匂いを纏って深夜に帰ったエリナにこぼす。自分が悪い事は分かっているのに、素直に謝れない。
週末なのに泣き濡れて過ごさなくてはいけなくなったアキナに、一つの小包が届く。差出人は不明。危険な匂いのするそれは、アキナにも感じた事の無い悦楽を与えて来た。
仲直りをした夜に二人で映画を見て、新たに発見したエリナの性癖を利用して、二人は燃え上がる様な、今までに味わった事の無い快楽を共有した。
かつてないほどの熱く甘いあの夜から既に一週間が過ぎて、次の週末になっていた。
この週末の夜もエリナは家を空けていた。しかし新しくエリナが購入した応接セットで、アキナは幸せを満喫する。
昔の仲睦まじい恋人同士に戻ったと思っていたアキナに、差出人不明の小包が再び届く。中身はSMプレイで使う手錠だった。
これの意味する事とは?そして、差出人の狙いとは?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-28 13:30:45
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