長いようで短い、そう、まるで満開の花びらが散りゆくように一瞬の出来事だったと思う。
駆け落ちまで約束した最愛の人を失くし、おとぎ話だと思っていた桜と梅の化身に出会い、最愛の人の妹に捕まり牢に閉じ込められた。
でもあの一件があってから、同業者
でお互い睨み合っていた梅納寺家と簾桜家は良きライバルとなっていった。
ただ我武者羅に、あの人を失った部分を埋めようとして敵の情報を探り自分を使えると認めてもらいたいと願っていた。
兄と比べられ同じ思いを抱いていた彼の妹は、行き場のない怒りと悲しみを誰かのせいにしたくて。
どちらもあの人を失ったことで深く傷つき、どうにもできないでいた。
そんな事態を救ってくれた少女達はもういない。
これは、最愛の人の妹が実は弟で、私が女だと気づかれ、お互い惹かれ、少女達と別れた後の、私と彼の初めての旅行のお話。
【補足】なろうの方で公開している「梅桜物語」「梅桜物語・続」のメインキャラの結婚後のお話です。そちらを読んでいただくと更にお話の理解が深まりますが、多分読まなくても問題ありません。軽くさらっと流し読みいただける程度のものです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-10-24 14:57:28
7852文字
会話率:43%