山田利津は生まれつき、世界のどこにも存在しない言葉、アルル語を喋ることができた。そしていつも、大切な何かを失くして見つからないような焦燥感を感じて生きていた。落ち着くことができるのは、唯一湖の側にいるときだけだった。人より直感が働いて曲がっ
たことが大嫌いな利津は誰かと交際に至ることもなく、このまま湖の側で生きて行くのだと漠然と思っていた。二十一歳の誕生日、いつものように湖の畔で過ごしていたリツは、水面に赤い宝石が浮かんでいるのを見つける。それを手に取った瞬間に巨大な渦に巻き込まれ、気付けばセント・アルル国の王城の泉に座り込んでいた。セント・アルルは地球上には存在しない異世界の国で、利津が生まれつき話せるアルル語を話していた。
※第22回角川ルビー小説大賞に応募して落選した作品です。
一生懸命書きましたので、多くの方に読んでもらえたら嬉しいです^^
既に完結していますので、完結まで止まることなく毎日更新されます。
エブリスタとカクヨムにも同時掲載させていただきます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-19 18:00:00
86718文字
会話率:41%