ある夕食時、フローリアは父から宣告された。
「お前の婚約者が決まった」と。
侯爵家の娘として、いずれ政略結婚するのは覚悟していたけれど、いくらなんでも相手が悪い。悪すぎる。
相手は――幼馴染みのアドルフ・ヴィックス侯爵。
アドルフは以前から
フローリアのことを嫌っているのだから。
意地悪ばかりする彼と離れられて安堵したと思ったら、婚約なんて冗談じゃない! この縁談、絶対阻止してみせる!
決意を固め、留学していた兄とアドルフを迎えに行ったフローリアだったが、再会した彼は別人のように甘く接してくる。
――まさか、本気で私と結婚したいの?
戸惑うフローリアだったが、大人の魅力を増した彼には逆らうことができなくて・・・・・・
意地悪な侯爵と、意固地な令嬢の甘く切ない攻防戦――
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-12-01 07:19:08
82512文字
会話率:35%