5年前の梅雨の雨の日、澪は自ら命を棄てた。貴彦は今でも彼女を忘れられずにいた。
5年前、12歳の少年だった貴彦は、17歳の澪に淡い恋心を抱いていた。
歳月は過ぎ、当時の彼女と同じ歳を迎えた貴彦は、紫陽花を見詰めながら一人雨の交差点で澪を想う
。
貴彦は、澪を失ったこの世界に、何も求めてはいなかった。欲する事すらない。彼女の居ないこの世界に何も見出だせないまま、ただ生きていた。
貴彦は、澪だけを望んでいた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-13 23:00:00
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会話率:5%