滅亡した遊牧民の生き残りであるアラクセスは幼い頃、オアシス都市を治める領主の息子、ミュラクのもとに奴隷として売られてきた。
美しいのは顔だけ。傲慢にして怠惰、無邪気な残酷さを持つミュラクと、ぶっきらぼうながら篤実な志を持つアラクセスは、
互いに反発しあいながらも、次第に惹かれあっていく。
しかしミュラクは無意識下の嫉妬から、アラクセスが己の命よりも大切にしている妹・ヒュルカニアに、取り返しのつかない処遇を与えてしまう。それによりアラクセスは出奔。ミュラクは一人残される。
数年後、オアシス都市に革命が起こり、倒された領主の息子であるミュラクは罪人として囚われの身となる。そんな彼の前に姿を現したのは、革命軍の幹部となったアラクセスだった。
立場は逆転し、ミュラクを奴隷身分に堕としたアラクセスは、この世に存在するありとあらゆる屈辱を与えるため、ミュラクを娼館に売り飛ばす。ミュラクは恨み、嘆き、アラクセスへの憎しみを燃やすが、やがて自分の犯した罪の重さに気づき……。
二人の愛憎の果てにあるものとは?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-06 23:52:48
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