余命半年を宣告された男・真一(しんいち)は、病院のロビーで、余命一年の女・玲奈(れな)と出会う。
どちらも、もう未来は長くないと悟りながらも、なぜか彼女の笑顔が気になり、会うたびに心が揺れる。
「どうせ死ぬのに、好きになるなんて……バカだ
よね」
「死ぬから、好きになってもいいんじゃない?」
――互いの終わりが見えているからこそ、言い訳も、逃げ道もなく、
二人はストレートに惹かれあい、やがて身体を重ねる。
しだいに深くなる愛と、消えゆく時間。
だがある日、玲奈の体に“異変”が訪れる。
妊娠。
それは「死ぬはずだった自分の中に、新しい命が宿る」という、信じがたい現実だった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 10:23:53
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