音がなくなってしまった路上でレイは良二の舌をむさぼった。体の芯はすでに熱い。ペニスを服の外に出そうとした時に良二が何か言ったけれどその声もまったく聞こえなかった。良二の若く精悍な顔が困ったようにレイを見下ろす。何か言いかけた良二の唇にレイは
唇を押し当てた。そのままディープキス。キスをしながら自分のベルトを外して黒いGUCCIのズボンを足元まで落とす。それからまたディープキス。背中が街灯の柱に押しつけられる。片足を高く抱き抱えられる。良二の肩の向こうにはマフィアの部下たちの青ざめた顔。通行人は目を逸らして足を速める。でもレイは他人のことはどうでもよかった。音が消え去った世界にいるのは良二と自分の二人だけ。だから今だけは、裏切りも嘘も存在しない⋯⋯。(香港編より)pixivにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-10 22:11:11
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