俺の名前は多田野浩二。36歳の自営業者だ。東日本大震災で経営していた英語翻訳事務所を失い、妻と離婚、慰謝料として家屋をとられ、積極的に生きる意欲を失っている。貧困家庭の児童や生徒を教えるボランティア教師もやっているが、その生徒だった葛城綾子
は中学2年生。彼女は父子家庭だったが父親は蒸発し、住む家も失って児童公園にいた。そんな行き止まりの二人がそれぞれの思いを重ねながら、成就することのない同棲生活を始めることになる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-29 22:12:36
145446文字
会話率:53%