人族と魔族の間には長い間争いが絶えなかった。弱くて脆い人族と強くて屈強な魔族。その間の力の差は圧倒的である。
しかし、ある日。光の聖女、またの名を勇者と呼ばれる、人族の王女の存在が二つの種族の関係を変えた。二つの国の間で停戦条約が結ばれ
、ようやく平和な時代がやって来たのである。――王女が魔王によって囚われの身になることを条件として。
――という話が、人族の間ではまことしやかに囁かれる話の一つであるが実際は違う。自ら囚われの身になった勇猛な人族の姫と争いごとが大嫌いな魔族の魔王のはじまりの話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-06-12 18:47:32
7887文字
会話率:65%