九月の土曜日、誰にも見えない折れた翼の持ち主である十四歳の『ぼく』は「自分は死体だ」といい放つ少女ディーと出遭い、彼女には翼が感じられること、またこの世に残された霊さえ感じ取れることを知る。別れ際、ぼくが次に会う約束を願うと「奇跡にしよう
よ!」とディーがそれを封じる。やがて最初の奇跡が起こり、二回目の奇跡が起こり、ぼくはディーの目論見(この世に彷徨える魂たちを天に還す助けとなるレクイエムを詠うこと)を知る。
ディーの過去に関する情報は中学の友人からもたらされる。ある中学校で三年前に男生徒の飛び降り自殺があり、彼女がその現場におり、男生徒を突き落としたという内容だ。
最初は事実を受け入れられるつもりでいた『ぼく』だったが、ディーとの二人で一人性を強く感じていたため、自分ひとりでは支えきれない精神的ダメージを負ってしまう。さらには彼女が当時死んだ元カレの子供を宿しており、元カレが死んだその日にこの世を去ったことさえ告げられる。直後、ディーの口調が豹変し、彼女の中から魔が現れる。魔はディーを嘲り、すぐに去るが、二人に与えた精神的ダメージは大きい。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-04-23 14:00:00
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会話率:59%