主人公のシリルは、ペリアーナ正教会に所属する祓魔師だった。なかでも感応者と呼ばれる特殊能力の持ち主で、祓魔師が修復すべき世界の裂けめを塞ぐ際に、呪いの核となった怨霊の注意を引きつけておく重要な役割を担っていた。祓魔師のチームが異界を封じるの
に失敗すると、高い確率で呪いを受けるのも感応者である。――――シリルは新しく祓魔師のチームに配属されたヴェルナー導師の指揮下、世界の裂けめを修復する任務に赴き失敗。貪欲なオンナの魔性に『魔合』されてしまう。辛くも生き残ったシリルだが、祓魔師としての身分を失い、男としての肉体を失い、ペリアーナ正教会からも追われる立場に…。『魔合』されたシリルは慣れない女の姿で、かつて暮らしたイルブルクの町へと逃げ込む…。暴力と猥雑さに満ちた、教会法が適応されない闇の聖域へ…。己の存在を維持するために、吸精を必要とするシリルは、やむなく娼婦として生きる決断を下す。しかし麻薬調合師と娼婦、二足の草鞋を履いたシリルの新生活は、過去のしがらみに翻弄されてままならない。一癖も二癖もある住人たちのせいで、意に添わぬ恥辱の日々を余儀なくされる…。東西南北の区域に分かれて覇権を争う支配者たち。そこにペリアーナ正教会の思惑が絡み。シリルの前途に暗雲が立ち込める。魔素の貯蓄量増加に伴い、順次明かされていく異能力に戸惑いながらも、シリルは人としての生活にしがみつく。――――シリアスなダークファンタジーを目指しています。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-28 16:24:39
570558文字
会話率:34%
現在からみて少しだけ未来の話。
前時代、少子化進行と未曽有の流行り病によって人口が激減。
地球上のすべての国々は人口増加のための方針転換を余儀なくされた。
その一環として進められた『性忌避解放運動』という抜本的教育改革によって
、人類の性認識への強制的変革が進み、若年層からの性経験と多産が当たり前となった。
人口が流行り病前の水準に戻った頃、完全に人類の性に対する認識は変化していた。
誰もが当然のように若い頃から相手を見つけては性経験を行うのが当たり前な世の中。
これはそんな時代に生きる、哀れなド変態女のむなしい物語。
哀れでみじめで悲しいオナニーの日々の果てに、彼女は神話となる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-01-13 00:00:00
87631文字
会話率:23%