西暦2000年12月25日、俗に言う聖夜の日、それは起こった。大平洋南部で地獄の門が開き、悪魔が次々と地上へ進出、人々を襲い、嬲り、暴虐の限りを尽くした。
先進諸国は悪魔に対抗するため、世界各国に保存されている聖遺物からエリクシルを抽出。
それを人間に投与することにより”天使”を作り出すことに成功する。
天使は悪魔に対して目覚ましい活躍を遂げ、人々に”物”として受け入れられた。これは人権団体に配慮した先進諸国が意図的に国民に流布したプロパガンダであるが、各国はそれを機密にし、天使はあくまで”ロボット”であり、人ではないという共通認識の下で運用された。
初戦KIA率50%。PTSD発症率90%。本当にロボットだったならありえない数字。そして民衆にロボットではないと知られたら各国政府の権威は地に堕ちる。だから軍関係者以外誰にも知られてはならない。一見人のように見えても、高度な人工知能を搭載した最新鋭機であると言わなければならない。そして、命令があれば戦場で死ななければならない。
これは、先進諸国の掌で弄ばれる、使い捨ての命達の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-03 22:10:04
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