1999年の世紀末。19歳の浪人生の僕は、ささやかだけれど深刻な不幸に出会う。ある少女は、中絶をしようとしていた。別の少女は、自ら命を絶とうとしていた。だが人は、それぞれの仕方で、幸せにならなくちゃいけない。ねえ、そうじゃないか?
少女たち
が、それぞれの仕方で幸せになる。そのために、僕にできることは一体なんだろう?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-17 07:31:59
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会話率:49%
私立女子高の数学教師・青田は、バレー部の引率で都立高の女性の英語の先生と出会う。青田というのは、緑の水田が広がる風景を指すのでしょ、そう、春は青色よね、と彼女は教えてくれた。青田は彼女と結婚する。しかし幸せは続かず、妻は病気で死んでしまう
。
青田は妻の手の跡が残る教科書を使って英語の勉強を始める。自分のクラス生徒にも英語を教えると、英語科のいじめにあう。が、一人の女性の英語の先生は協力的だった。だがその彼女は留学のため退職し、旅だってしまう。青田は勤務しながら大学院に通い、英語教育法を学びだす。量質転換という青田の英語勉強法に、同僚の外人講師が賛同してくれ、青田を支えてくれる。
青田の指導を受けた生徒たちが大学入試で好結果を出す。卒業式で、私たちを変えてくれた先生に出会えたと語る生徒、子どもの変容を感謝する保護者、青田は教師としての喜びを感じる。女性のPTA会長は、お礼にと湘南へ魚を食べに誘ってくれた。
大学進学の実績が上がったことで学校は脚光をあびる。青田は高校受験用の英語と数学の勉強の仕方の本を出す。売れ行きは順調だった。青田は本の校閲を担当してくれた出版社の女性とサイクリングの話で盛り上がり、親密な仲になる。
英語の研究会に誘われ、死んだ妻の後輩という女性の先生と出会う。奇跡が重なっての出会いと感じた青田は、彼女に好意を寄せる。ところが彼女は、死んだ妻と比較されるのがこわいと言う。しかし、青田の吹くリコーダーを聴いた彼女は、これからはリコーダーと同じ音律のチェンバロを弾きたいと言った。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-10-25 14:27:21
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会話率:55%