大学に通う瀬口京子19歳には、恋人と呼ぶには微妙な関係の彼がいた。
彼は亡くなった年の離れた姉の、かつて夫だった人。
京子は彼の事が初恋で、ずっと彼の事が好きだった。けれど彼の反応は微妙で、京子に対する束縛はあっても「愛している」と囁いた事
すら無い。その理由は解っていた。彼は亡くなった姉と娘を未だに忘れられずにいるのだ。それは当然のこと。それが分かっていたのに京子は彼を受け入れた。その事に後悔は無かったが、京子はある身体の異変から、彼の為にと苦渋の決断を下す事となる。だってそれは彼の為には仕方の無いこと。だから私はここを去るの。
一途な想いと激しい執着が交じり合い、そこから絡み合う二人の関係は、実を結ぶ事が出来るのか?
※これは以前フリーペーパー《嘘》で配布させて頂きました800文字の作品のR入りバージョン超加筆短編作品です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-09-11 07:00:00
13768文字
会話率:37%