第一部:
軍娼として散々使い果たされ、今こそ命を終えようとするマリア。
そこに、本来ならば極寒の戦場に居る筈のない、絵画から抜け出したかのような美少年が現れる。
彼は何の因果かマリアを気に入り、彼女の命を救い、一緒に連れて行きたいのだという
。
「お姉さん、今から僕と賭けをしよう」
そうして、軍娼と少年の、互いの自由をチップにした『不幸自慢』が始まった……。
第二部:
形だけの病死を装い、自由の身になったルイの回想録。
自称「反抗期だった」、世界一高貴な孤児が新たな身分を得るまで。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-04-06 21:00:00
67647文字
会話率:24%
「――あんたね、俺が護衛じゃ不足なの?へえ、信用できない?」
血液、臓器、白骨。不老不死薬を生成するために不可欠な三胞のうち、血液を五年間抜き取られつづけた少女 水(すい)。彼女の血は秘密結社“Λ(ラムダ)”の会員の父親によって組織へ運
ばれていた。
ある日、水は父の暴力に耐えきれず自殺を図る。そこへ現れ、麻薬犯罪捜査の一端を担う諸事情から彼女を助けた異国風の青年。奇しくも彼は、“Λ”を操る首謀者の男、サン・ジェルマンとの因縁を持つ者だった。
それは救った命だったのか、救われた命だったのか。狂気に生まれ落ちた少女が辿る、永い恋路の物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-08-26 16:55:23
56739文字
会話率:40%