「だって、それ以外に俺に何の価値があるの」
体を売って生きてきた凪は、雨の降る夜に一人の女と出会った。自分を買った人間に応えるだけの夜を過ごしてきた凪にとって、信乃の家は初めてゆっくりと眠ることが出来る場所だった。信乃は凪に何も求めない。非
合理的で、無意味なことを続ける奇妙な女。彼女の隣は、ただ心地よかった。
初めての拠り所を見つけた青年と、他人に無償の情を与え続ける女。パズルのピースのように合わさっていたはずの二人が、ある夜から少しずつずれ始めていく。
この作品には虐待、売春、合意のない性行為に関する表現が含まれますが、これらを助長・肯定するものではありません。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-05-14 21:00:00
7058文字
会話率:58%