高校二年の夏休み。
家庭崩壊だの彼女を寝取られたりで人生に絶望した、由佐リクト。
もうこの世には未練なんざねえや。
そう考えた彼は、友人たちと習った剣術と、師匠である友人の祖父から譲り受けた家宝の剣で自分の胸をぶっ刺してこの世からお
さらば‥‥‥したはずだった。
しかし、目覚めてみれば人間とは程遠い外見の昆虫のような連中や、神話に出てくるような化け物たちに囲まれていたリクト。
その手には共に現世を去った家宝の日本刀が握りしめられていて――
「魔王様、そろそろ狩りの時間でございます」
は?
魔王?
誰が、俺が?
狩りって獲物は‥‥‥、おいおい、美人ばかりのエルフの村じゃないか!?
はっ!?
面白い、前世で未練残して転生してみたらエルフを狩る魔王!?
いいねえ、しかも‥‥‥外見はそのまんま。
おまけに魔王とは名ばかりで、魔族は竜や神、人との戦争に負けて滅亡寸前と来た‥‥‥
ならやってみようじゃないか、このエルフの村を焼いて奴隷化。
戦争ほど美味しい商売はない!!
こうして、魔王リクトの魔族解放戦争が始まった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-31 15:26:36
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会話率:22%