同期入社の男性社員がパワハラを切欠に自殺した日、実家の秋田犬も寿命を迎えていた。煌めく才能を持ちながら死を選んだ寡黙な「彼」と、闘犬の血を引く過ぎるほどに従順な「犬」。
「なぜ、あなた達が死ななければいけない。死ぬべきは彼奴らなのに」
ふたつの理不尽な死に苦しみ深夜過ぎまでひとり飲みをした「私」は、トンネルを思わせる寂れたアーケード商店街で突然の息苦しさを覚え異世界に転生する。
そこは愛欲と暴力が支配する世界だった。大円都トラキアの政務官のひとり、円形闘技場を支配するティトゥス造営官の第二婦人である「もうひとり私」イレニアは、暴力と姦欲の化身「イヌ」に生まれながら優しさに苦しむ赤銅色のたてがみを持つ大イヌ、剣闘士ダンテと出逢う。
設定
円形都市国家(サークル)が点在する異世界
製鉄炉あり、蒸気機関なし
人力を主とする工場制手工業の実用
炎を神とする宗教を軸にして習俗・言語は他サークルを含めて統一
治癒力と知覚に作用する魔法あり、物理干渉する魔法はない
人
男 支配階級・市民
女 市民
有尾人
イヌ 戦士・労奴(男のみ)
ネコ 準市民・労奴(女のみ)
ブタ 奴隷・食用 (女のみ)
バン(蛮) 未開人 (オオカミ・ヒョウ・イノシシ・サル)折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-06-07 19:57:15
11570文字
会話率:27%
快楽を求め、彼女は地下迷宮に…
最終更新:2008-02-08 04:10:31
2193文字
会話率:13%