■僕視点『迷子のさくらと、間が悪いぼく』■
僕は、子供の頃から間が悪い思いばかりしてきた。
いつの間にかあの人――お昼に相席になるだけの、ぶっきらぼうで無愛想なのに優しい人――を好きになっていた。通りすがりの桜さんは、口下手な僕から、辛抱強
く話を聞き出して親身になってくれる。
祖母の入院する病院の片隅のベンチで、僕は考え続けていた。出会いと11月の晩を。そして最近になって知ったことを。
■あの人+α視点『へロディアの血』■(攻めが受けを可愛い言い倒すだけの話。裏設定の暴露の場)
思いがけず手の中に転げ込んで来た幸運。それを盤石なものとするため、あの人は奔走する。過去のいろいろと絡み合う因縁。
サブタイトルのアラビア数字表記はあの人視点、ローマ数字表記は僕視点。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-02-18 10:00:00
538650文字
会話率:32%