そこは大陸一の豊かな土地と経済力を誇る、ゼーフェリング王国。
その国では大国の守り神ともいわれる特別な一族がいるのは、子供でも知る有名な話だった。
ファーレンハルト侯爵家、聖女の血を引くその家系では代々聖女の力を宿した女児が一人だけ産まれ
てきたという。
しかし、今から19年前の冬の夜。今までずっと続いてきたその決まりに変化が起こる。
大雪の降ったその夜に、一人の女性が天へと召されていった。
可愛らしい双子の女児を産み落として……
聖女の力を顕現させることなく育てられる姉妹、シャルロッテとアンネマリー。
二人には幼馴染の騎士団長カールハインツに想いを寄せる。
姉のシャルロッテとカールハインツの婚約が決まり、喜ぶ二人。しかしその日から姉への劣等感と嫉妬に狂ったアンネマリーの恐ろしい計画が始まった。
何も知らないシャルロッテはアンネマリーに全てを奪われ、そして辺境の地へと追いやられていく。
そんな彼女が傭兵風の男と出会い、そして意気投合する。
そんな中シャルロッテを暗殺しようとアンネマリーの放つ刺客が二人を襲ってきて――!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-03-27 15:25:33
10795文字
会話率:30%