花屋の志木朋一は朝の日課で近所の寺に花を届けに行った。
次の配達に向かおうと、寺院内のお墓裏道を歩いているときだ。ある一つのお墓の前に佇む一人の男の姿。黒いスーツに白いアイリスの花束を持つ姿が綺麗で、思わず見とれてしまう。
それから朋一の頭
の中は彼の事が離れないでいた。
幾日かして彼のことを思いながら花束を作っていると、店に現れたお客はあの時の彼だった。
少しずつ縮まっていく二人の距離。しかし、突然彼から突き放されてしまい、謎だらけの彼へ向ける片想い。諦めきれずにいた朋一の目の前に現れたのは彼の弟龍也。龍也に出会って朋一の想いは更に強固なもになっていく矢先、事件は起こった・・・。一人の好きな人を振り向かせるため、必死に愛情表現をするドジな朋一と、心を閉ざしてしまった謎の彼の心を、開くことができるのだろうか・・・。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-08-12 23:53:13
54140文字
会話率:41%