原因不明の病に侵された少女・マリアベルは、定期的に会いに来てくれる親友・エリーゼとの日々を楽しんでいた。
そんなある日、ぞっとするほどに月の綺麗な夜、一人の老紳士と出会う。
『君をそこから救い出してあげるよ』
そう告げる彼はあまりにも怪しく
て。
けれど彼女は……。
※当作品はpixivにも掲載しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-02-16 17:03:21
79676文字
会話率:37%
孫の由佳は手文庫の中から、数日前孤独死をした祖母民子が大学
ノ―トに書き綴った“自分自身に宛てた手紙”を見つけた。
その手紙には彼女の激しく燃え滾る一生が書き記されて在った。
民子はイギリス人の母と日本人の父との間に生ま
れた混血児であっ
たが、幼い頃から或特殊な感性を教えられて育っていった。
民子は或日、幽玄の会と言うお茶会で、備前焼の老陶芸士秀鳳と出
会った。そして彼女はまるで仙人の様な“気”を放つ、秀鳳の虜に
成っていた。彼は陶芸の制作の為備前に居たが、彼からの釜炊きの
案内をもらった彼女は、ハ―レ―に跨って秀鳳の居る備前への道を
ひた走りに走った。そして登り釜の燃え滾る炎の前で彼女は秀鳳に
抱かれた。備前の海はキラキラと輝き、秀鳳との恋はその頂点に達
し、やがて民子は彼の中に究極のエロスを感じ取っていた。そして
すざましい恋に落ちて行った。
恋は半年間の短いもので在ったが、彼女の中でいつまでもその恋
は燃え続け、それはその後の彼女の生きざまを支配した。
秀鳳と特殊な関係に在った嫁慶子との壮絶な争いは、醜くも黒魔術
の呪いを呼び起こし、今迄秀鳳の孫と信じきっていた健作が彼の実
子と知った民子は、若き日の秀鳳を求めてオックスフォ―ドに留学
中の健作を追って、イギリスへと旅立った。
ロンドンで久しぶりに健作と一夜を過ごした民子は、18世紀の
貴族の快楽の都市バ―スで、知り合ったベン男爵夫妻の秘められた
生活を知る事となる。
やがて帰国した民子は娘時代から彼女の側に仕えている女中のキヌ
と二人だけの寂しい生活に戻る。そうした中図書館で知り合ったギ
リシャ人の老紳士メタクサスに引かれ再び恋に落ちた。そうした彼
の誘いから民子とキヌはギリシャへの旅に胸を膨らませ、旅立ちの
日を待った。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-10-28 10:39:20
168180文字
会話率:10%
大学院生の榊柊也(さかき しゅうや)は時島研究室に所属している。教授である時島蘇芳(ときしま すおう)の監視をするために――。 「僕のマリちゃん」の番外編。万里の友人の榊と時島教授がメインのお話。腹黒変態な老紳士(人外)と、飄々クールに見
せかけた真面目青年との攻防です。エロ無し、セクハラ多め。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-10-20 00:23:24
32051文字
会話率:26%