いつだったか、そう、あれは結婚初夜だったか。夫婦になって初めての夜ということもあり、私、大木一輝と妻、旧姓・原村奈穂、現・大木奈穂は寝床を共にした。そして、行為が済んだ後、彼女は息も絶え絶えに、私にこう告げたのだった。
「これから、あな
た専用のオナホ、いっぱい、産んであげますね……♡」
と。
当然ながら私にとっては衝撃的な発言だった。
結婚当日故に子供をどうするかなど考えていなかったのもそうであるし、そもそも、子供を自分の所有物であるかのような言い草、ましてやオナホなどという性奴隷の部類のものと同列に扱うなど一人の親の発言としてあってはならないものだからだ。
しかし、彼女が少々特殊な価値観を育んできたのは結婚する前から分かっていたことだ。そのうえで私は彼女と添い遂げることを決めた以上、彼女の価値観のかじ取りをすることも私の責務だろう。
「奈穂さん、子供は親の所有物ではなく、また、親と子が肉体の関係を結ぶこともあり得ないことだ。そもそも、私はあなた以外のひとと関係を持つことはないし、オナホといった性玩具を用いることもない。だから、そういうことは言わないでほしい」
そう私が諭すと、彼女は薄く微笑んで、
「……ええ、すみません。少し疲れていたようで、おかしなことを口走ってしまいました。どうか、今の発言はお忘れください」
その後すぐに彼女はすー、すーと寝息を立てて寝入ってしまった。また、それ以降の生活においても、彼女がこのような発言をすることはなかった。故に、私はこの発言をすっかり忘れていたのである。
今日、この日までは。
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お父さんが強制的に家族ハーレムの主にさせられる話です。筆は遅いので気長にお待ちください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-16 17:00:00
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