ゴルフ練習場を営む山中茂夫。かつてはプロゴルファーを目指していたが、20歳半ばでその夢をあきらめて、妻の愛子と二人で自分が所有する山の一角に小さなゴルフ練習場を造り、慎ましく暮らしてきた。
しかし、2年前に愛子を突然病気で亡くしてから、
山中は生きる気力を失ってしまっていた。常連客の松崎源太や元中学教師の進藤兵輔は、そんな山中を折に触れて励ましていた。
彼らの励ましもあり、山中はなんとかゴルフ練習場を続けていたが、ある日加納亜衣子という女性が練習にやってくる。
亜衣子はまったくの初心者だったが、暑いさなかにもかかわらず連日練習に来ては、何かに憑かれたように必死にボールを打ち続けていた。しかし上達する様子はいっこうに見えなかった。
やがて山中は、亜衣子から懸命に練習する理由を聞かされ、彼女のレッスンを引き受けることになる……。
第1章 手造りのゴルフ練習場 第2章 亜衣子 第3章 レッスン 第4章 愛子への思い 第5章 墓参り 第6章 家出 第7章 対決 第8章 マッチプレー 第9章 秘めた思い
※ この作品は、「NOVEL DAYS」に掲載している『愛子と亜衣子』を加筆修正したものです。
※ 毎日更新予定です。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-06-30 21:00:00
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会話率:45%