まるでビオトープのような中庭を持つ部屋で、おれは水底に潜むイモリのように降り注ぐ雨を眺めている。いつまでも止む気配のない雨に思い出すのはこの部屋の持ち主――樹のことだ。樹と二人で暮らしたこの小さな世界。それが、おれの世界のすべてだった。
―
―これはおれの世界が終わってしまう話だ。
◎
《注意》いつものほのぼのお馬鹿とはちょっとテイストの違う暗い話です。一話と二話は受け視点、三話は攻め視点で進みます。三話目は蛇足的な救済措置なので黄昏れテイストに耐性がある方は二話までで止めておいた方がいいかもしれません。(とはいえ、三話目読んでもきっぱり救われるとは限りませんが)
こういう話も大好きなのです。どうかどなたか楽しんでいただける方がいらっしゃいますように!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-06-16 01:00:00
20082文字
会話率:17%